鉄道模型屋をショッピングセンターに出店 > 市場創造に成功する前提条件とは
もしあなたの企業が市場創造型のマーケティングをしたいなら、潜
在的にニーズが存在することを確認した上で行なう必要がある。単
純に、今までと異なる層に売り込もうとしても、潜在ニーズがなけ
れば空振りに終わる。
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■■ 鉄道模型屋をショッピングセンターに出店
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━━━━━━情報源:日経MJ(流通新聞) 2010.08.02【3面】━
管理職としての仕事のミッションは、業績目標を達成すると同時に、
部下を育てることです。短期的には、二律背反しがちとなるので、
そのバランス感覚が問われます。
チームスポーツでも、次世代のレギュラー選手を育つつ、常に勝ち
続けることの難しさが指摘されたりします。
顧客との関係においても、既存顧客へのフォローを行なうことで顧
客単価を高めつつ、新規開拓もおろそかにするわけにはいきません。
短期的な効率だけを考えれば、新規顧客開拓は「労多くして功少なし」
となりがちです。しかしそこを踏ん張って、一定の工数を新規開拓
に振り向けないと、将来的にジリ貧となっていきます。
もっとも、既存顧客から新規客を紹介してもらうことができれば、
既存顧客のフォローと新規開拓が、うまく両立します。
※事例 → mori-office.com/2009/04/08/follow/
2日付けの日経MJ(流通新聞)に、次のような記事が掲載されて
います。
「ポポンデッタという鉄道模型専門店が快走している。奇妙な店名
の由来はパプアニューギニア産の熱帯魚で、本社は“オタクの聖地”
東京・秋葉原。(中略)2007年9月に埼玉県川口市にあるイオンの
ショッピングセンター『川口グリーンシティ』に出店したのを皮切
りに、イオンを中心に郊外SCにも出店、店舗数は13を数える。今
後も年間3~5店出店し19年には50店体制にする構えだ」
-日経MJ(流通新聞) 2010.08.02【3面】
※ポンポンデッタ→ www.popondetta.com/
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■■ 市場創造に成功する前提条件とは
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この取り組みで注目すべきは、“オタクの聖地”秋葉原のような立
地だけでなく、SCにも出店している点です。
ポポンデッタの太田和伸社長は、マニアにターゲットを絞ることに
ついて、「それでは鉄道模型は衰退産業になってしまう。もっと一
般の人が訪れる店にして客層を広げたい」とコメントしています。
それが「SCへの出店に踏み切った」理由です。
先述の例で言えば、「マニア」が「既存顧客」、「一般の人」が
「新規顧客」に相当します。
ターゲット層が集まりそうな場所に出店するのが、マーケティング
のセオリーですが、逆に、新たな顧客・市場を創造するには、むし
ろターゲット層がいない場所に出店した方がよい、という考え方も
成り立つわけです。
これは、未開の地に靴を売りに行くセールスマンの話を思い出させ
ます。
一人のセールスマンは、「ここは靴を履く習慣がないので、靴が売
れない」と考え、もう一人のセールスマンは、「まだ靴を履いてい
る人がいないので、靴はどんどん売れるはず」と考えた、という話
です。今回の記事は、まさに後者を地で行く感じではないでしょう
か。
もっとも現実には、正直なところ、前者の靴のセールスマンの考え
方が正解であることは多いと思います。後者の考え方では、残念な
がら、見込み外れになる確率は高いです。
ですが、鉄道模型はここ数年来、ちょっとした“ブーム”となって
おり、市場は拡大基調です。機会があれば、買ってみよう、と思っ
ている層が多いと考えられます。とは言え、“オタクの聖地”に足
を踏み入れるのは、ためらわれる。そんな人達が多いことでしょう。
そのような背景こそが、今回の記事の取り組みが成功するための要
件だと思われます。
ですので、単純に、客層を広げたいから一般の人を相手にした、と
いうことではなく、確実に潜在ニーズを持っている層をターゲット
にした、と解釈するのが正しいのではないでしょうか。
店を出店すれば市場が創造される、というほど、世の中は甘くあり
ません。潜在的であっても、基本的なニーズが存在していることを
確認することが先決です。
靴のセールスマンの後者の例でも、靴を履かなくても一向に困らな
いのであれば、靴は売れないでしょう。ですが、靴を履かないこと
で足を怪我して困る、といった事情があれば、靴は売れるでしょう。
同じ「靴を履く習慣がない」というだけでは、売れるか売れないか
の判断はできないはずです。
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